Voice of participants【Episode 02】

Voice of participants【Episode 02】

固の研修を導入いただいている企業様に本音を聞き出すインタビューシリーズ。

第二弾は、株式会社ベネッセコーポレーション 人財開発部の村山 祐紀子さんです。
2020年よりご依頼いただいている新入社員研修。ご依頼のきっかけから、今年で3回目となりさらにブラッシュアップした「戦略的コミュニケーション」研修についてお伺いしました。代表の前田鎌利との対談スタイルでお届けします。(取材・構成/堀口友恵)

新入社員研修のオールオンライン化への挑戦から3年目。オンラインだからこそ大切にしていること。

前田:村山さん、よろしくお願いします!
まず、村山さんが統括されている人材開発部ではどういったことをされているのかというところからお話をお伺いできればと思います。

村山 祐紀子さん(以下敬称略):人財開発部は、社員の採用・育成・配置を担っている部署です。その中にはHRBPといわれる「現場について事業を支援するような仕事も入っています。私はこれまで社員育成を中心に担当していましたが、2022年4月からは部全体を見る役割になっています。

前田:社員育成だけではなく、採用から配置までを幅広く見られているのですね。
ベネッセさんとはこれまで社員研修やUdemy※などでご一緒させていただいていますが、2020年度より新入社員研修のご依頼を頂きまして、今年で3年目となります。最初にお声がけいただいたのは、どのようなきっかけだったのでしょうか?

※ベネッセが運営するオンライン学習プラットフォーム

村山 :2020年の3月は新型コロナウィルスの影響が出始めて、世界中がどうしようと戸惑っていた時期だったと思うんです。私たちも4月から始まる新入社員研修を集合形式でやるということをギリギリまで諦めてなかったんですよね。

でも情勢的にそれは難しいと判断し、入社式の5日前にオンライン研修に切り替えを決定したのですが、そこでUdemyチームから「オンラインでやるんだったら、とびきり良い先生がいるから頼んでみようよ」と紹介してもらったのが前田さんでした。

前田:Udemyからの繋がりでご依頼くださったんですね。

村山 :もちろん前田さんのことは以前から知っていました。ただこのぎりぎりのタイミングで前田さんに依頼していいのか、前田さんの研修って一定以上ビジネスを経験した方に人気がすごく高い印象があったので、新入社員向けだとレベルが高すぎるのでは?といった心配もありました。

前田:実際はいかがでしたか?

村山 :いい意味でギャップというか衝撃がありました。ただのプレゼンテーションの研修じゃないと思ったんです。

コミュニケーションの本質や、なぜ働くのか、なにを人に伝えたいと思うのか、までさかのぼって考えることを大切にされていて。いわゆる小手先のテクニックの話では全然ないことに気づいたんです。

なので初年度は「プレゼンテーション」研修という名前で実施していたのですが、実際の研修の様子を見て、新入社員の彼らが学び取ったことが何だったのかを踏まえて、翌年から「戦略的コミュニケーション」研修に名前を変えました。

コミュニケーションというものの本質を捉えるという意味で毎年お願いをしている感じです。

前田:ありがとうございます。

最初はプレゼンテーションから始まり、今は一緒にカリキュラムを作り上げていく感じがあり、僕も嬉しいです。この研修を受講されたみなさん、その後社員として1、2年と経験を積まれたかと思いますが、プレゼン含めその後の様子はいかがですか?

村山 :やっぱり段違いに(プレゼンが)上手ですね、彼らは。

世代的にデバイスに慣れているというのもあると思うのですが、配属後一番最初に驚かれるのが、的を得た自己紹介をする、ということですね。

前田さんに教えて頂いたテクニックを使って先輩の前で披露し、先輩に褒められて、そこからまた磨いていく。プレゼンが上手く伝わった、上手だって言われる経験がもっと次の学びに繋がっているって感じがしています。

前田:研修のコンテンツでは、2年目の2021年からコミュニケーション要素を増やしていき、今回の2022年では特にオンライン環境下でのコミュニケーションについてもお伝えしています。

ここ数年リモートワークが続いていることから、社員教育も大変なことも多かったと思いますが、その中でも大事にされてたものはどういった点でしたか?

オンライン環境下における新入社員の方へのアプローチなども工夫が必要ですよね。

村山 :私たちがオンライン下において、新人育成で絶対大事だと思っていることが3つあるんです。

1つ目が「Open&Give」
とにかく自分をオープンにして、自分ができることからこう伝えていかないと存在感がないよ、ということ。

2つ目は「For what」目的思考ですね。
「何のために」がリモートワーク時は意識が薄れがちになるから、しっかりと自分でキャッチしないと駄目だよ、ということです。

3つ目は「Learn to Learn」です。
学び方は自分で獲得していく。どう学ぶのかという手法を自ら学ばなければならないということ。

この3点をこの3年間ずっと意識してきました。
特に「目的を見失わないで」ってすごく言ってた気がしますね。

前田さんも「論点が大事」といつもお伝えいただいていますが、この部分って現場に出るとつい忘れてしまうところでもあるから、特に「目的を持ってコミュニケーションする」そこに向かっていくプロセスにプレゼンがあるということを意識づけています。

ベネッセの社員だからこそ。しなやかな学びにつながるアクティブラーニングカリキュラム

前田:これまで様々な企業でプレゼン研修や会議術研修をご依頼いただいてきたのですが、その中でも新卒一年目の最初の研修ってすごく大事なところだなと思っています。

そういった場面を外部の講師に委託するのって、心配な面もあるじゃないですか。

本当にピュアな子達ですし、会社の企業文化もある中で、それが3年間研修を続けさせて頂いてるって事は本当に信頼いただけて、僕もありがたいなって思っています。

村山 :ベネッセは企業理念に共感しているかということはとても大切で、新人研修は「志を共にする仲間と共通体験できる場所」でありたいと思いがあるため、研修はほとんど社内講師が行っています。

外部に委託しているのは、実は前田さんともうお一方のみなんです。

私たちの思いに共感してくださって、そして私たちが講師の方に対して共感し「ぜひ彼らに学ばせたい」と思える方だけにお願いしています。だから前田さんは貴重な枠です。笑

前田:貴重な枠をありがとうございます!笑

ベネッセさんと毎回事前に打ち合わせして「今年はこういうことをぜひ伝えたいんだ」とか
「今年はこういうテーマにしたい」という思いをすごく言っていただけるので、僕も力点を置くポイントだったり伝え方を毎年そこに沿うような形でお届けできるから、嬉しいんですよね。

御社の一員になったような気がしています。

村山 :はい、むしろ私たちこそTEAM前田の一員ですから!
コラボレーションの度合いも、年々高まってきていると思うんですよね。

1年目はまずはやってみよう!でしたが、
2年目は研修自体の狙いは変わらずシチュエーションの変化に合わせてリクエストして取り組みました。

3年目の今回は、研修全体の一つ一つのコマがちゃんとつながって意味を持つように、教研の研修とテーマを一緒にして行いました。

この取り組みも、2年目までのチャレンジがなかったら前田さんにも相談できてなかったと思います。「問いを立てる」といったプレゼンから大分突っ込んだテーマで行えたのも、やっぱり前田さんが一緒にわたしたちと育成のテーマや課題を考えていただき、過去2年の受講者の顔とかを浮かべながら構成してくださったから、かなり進化したのだと思います。

あと、新入社員の子たちが、研修後のリフレクションで「前田さんの研修で言ってた◯◯が〜」という風に引用するんですよ。そういった波及効果を今年はさらに感じていました。

前田:毎年バージョンアップしていく新人研修、一緒に作り上げていけるのが毎回僕も楽しみです。

村山 :ちなみに、新入社員たちは内定者時代からUdemyを見ることができるのですが、
たぶん一番最初に受講するのは、前田さんの講義なんです。

前田:すごい!そして嬉しいです。これって、ベネッセさんだからですよね。
内定者時代からUdemyが見られるのはいい環境ですね。

村山 :職場の先輩たちもUdemyで前田さんの講義を受けているので、超有名な講師の方がライブで教えてくれる機会は、みんなに高揚感があるのを感じます。「この人から直々に学べる!」って、テレビに出てた人に会えるような感覚です。笑

でも、この高揚感って、すごく大事なんですよね。

この数年の環境の変化を経て、新卒研修を「どれだけみんなにとっての共通体験の時間にできるか」っていうことが大事だなと思っているんです。

昔だったら膝を突き合わせて、研修の場に同期と共にいる時間自体が記憶になっていく。

それがコロナ禍で一切なくなってしまった今、どれだけ魂震える時間を皆で過ごしたかが、大切。同期という得難い仲間同士で暖炉の火をくべながら話すような機会の創出が必要です。その火の部分に前田さんがいるような、そんな感覚です。

前田:ありがとうございます。最後にお伺いしたいのが
ベネッセさんとのカリキュラムはUdemyを活用して事前学習を行なってから課題に取り組み、そして当日研修を受けていただいています。アクティブラーニングに近い形ですよね。

こういったカリキュラムだからこそ、その後の相乗効果も生まれやすいし、Udemyと絡めた研修スタイルって、他の企業にもすごくおすすめできるスタイルだなと思っています。

村山さんにとってベネッセの新人研修のおすすめポイントはどんなところですか?

村山 :極力自分のペースで学びやすい形にして、集う価値のある時間にフォーカスするという点です。

今、人事・研修に携わる人達は、何にどんな時間をどれだけ使うのかということによりシビアに問われてると思います。その限られた時間の中で、皆が集まって何かを学ぶ場はよりフォーカスされたものであるべきだと思っています。

だから事前に聞けばわかることや、見ればわかることに時間を割くのではなく、事前に学び、それをどうやって実践していくか、やってみてどうだったのか、その背景はなんなのかを導く、まさに「アクティブラーニング」ですよね。

事前に学んだからこそ響くこと、それを直接やり取りすることで深まること、仲間同士の意見を聞いて視点が広がること、そういったことに使うべきだなって思うので、この事前学習・事後学習をセットで行うことはお勧めですね。研修だからといってずっとオンラインに張り付いているのも辛そうですし、時間にもメリハリが必要だと思います。

前田:Udemyの講座を事前学習としてキャッチアップしてもらえると理想的ですね。

村山 :学びが深まっていく感じがしますよね。
本当に一つの例を作ってくださったなと思ってありがたいです。

新入社員研修を受けての感想を1年目社員の方にもお伺いしました!

前田さんのお話から、平等に与えられているチャンスをいかにつかみに行けるかというのが、社会人としての意識でとても大切だと感じました。先輩や同僚、後輩からバイネームで呼んでもらえるように、自分から積極的に動いてチャンスを活かしていきたいと思います。

相手が何を求めているかを常に考え続けることが大事だと学んだ。自分はもともと自分のことを相手に話したい!という欲が強く、周りが見えなくなることが少なくなかった。しかしこの研修を通じて人を動かすとはどのような話し方が大事か、印象は何か、セルフブランディング確立への最短ルートなど、仕事をするうえで大事な人間関係の構築方法を少しでも理解できた気がする。これからも実践していきたい。

プレゼンテーションで相手に何を伝えるか。今までわかりやすさに焦点を置きがちだったが、相手の立場に立って気持ちを想像することでプレゼンの内容や伝え方が大きく変わりそうだと感じた。

この記事を書いた人

katamariwebsite2020