Voice of participants【Episode 03】

Voice of participants【Episode 03】

固の研修を導入いただいている企業様に本音を聞き出すインタビューシリーズ。

第三弾は、ソフトバンク株式会社 コーポレート統括 人事本部 採用・人材開発統括部 人材開発部 部長の岩月 優さんです。ソフトバンクユニバーシティ(社内人材育成プログラム 通称 SBU)のプレゼンテーションやマネジメントの研修のほか、毎年の新入社員研修でも前田が登壇してお伝えしています。ご依頼の背景や、研修の目的、アウトプットの効果についてお話をお伺いしました(取材・構成/堀口友恵)

「限られた時間の中で、いかに効率よく自分の考えを伝えるか」ソフトバンクならではの新入社員研修&プレゼン大会

前田:竹芝の新オフィスに移転されてから、初めてお伺いできたので嬉しいです!

岩月優さん(以下敬称略): 久しぶりにお会いできましたね!

前田:コロナ禍になってからSBUも新人研修も完全オンラインになりましたね。
改めてにはなるのですが、毎年新人研修をご依頼いただいている背景について、お伺いできればと思います。

岩月: まず、ソフトバンクの新人研修の設計からお話ししますと、研修の最後に集大成として新規事業提案を役員に向けてプレゼンテーションする機会を設けています。グループでプレゼンに取り組み、クラス予選を経て決勝大会で「新卒No.1」を決定します。

ソフトバンクの会社風土として、年齢や性別、年次に関係なく上位役職者へどんどん提案できる機会がたくさんあるんです。その機会に向けて新人研修の中でまず体験してほしいという思いがあり、今年は「SDGs×テクノロジー」をキーワードに新規事業を考え、プレゼン大会を実施しました。

前田:プレゼンの機会、本当にたくさんありますよね。

岩月: はい。ソフトバンクアカデミアやソフトバンクイノベンチャーもそうですが、プレゼンの時間は基本的に5分です。そのため、限られた時間の中で、いかに効率よく自分の考えを伝えるかという瞬発力が求められます。そういった意味でも、単純にプレゼンソフトの操作を覚えたり、目的なく練習させるのではなくて、「新卒No.1」を目指して自分達のプレゼンテーションが届くように、そのために必要な武器(=研修)を提供するから一生懸命吸収してほしい、という思いで設計しています。

前田さんの講義はそのエッセンスが非常に凝縮されていて、かつ実際にアカデミアのプレゼン大会で勝ち上がってきた経験など、ソフトバンクの中で実践されてきたものです。新入社員にとってプレゼンのインプットの場として、もう前田さん以外に適任はいないということで毎年ご依頼しています。

前田:ありがとうございます!

役員に向けてプレゼンをする、しかもその中でNo.1が決まるという経験は、他の会社ではなかなかない機会だと思います。新人の子たちにとってもすごくいい経験値になるし、チャンスですよね。

岩月: ソフトバンクグループが掲げるバリューの中には「No.1」というキーワードがあって、私たちは、新入社員の時からとにかくNo.1を目指すことを伝えています。

そこに対してまっすぐ執念を持ち、しっかり成果を出していくということが大事であることを、専務執行役員 兼 CHROである青野もコミットしています。なので、毎回最後のプレゼン大会には青野も来て、総評やメッセージを伝えています。

前田:実際に今年の最終プレゼン大会はいかがでしたか?

岩月: プレゼンのクオリティについては、非常にレベルが高いという声は毎回上がっていますね。

実は、クラスの予選が終わった後はクラス内で決勝に進出したチームのブラッシュアップをする時間を設けているんですよ。
クラスみんなからのフィードバックを受けて、研修で配布された前田さんの本(プレゼン資料のデザイン図鑑)を見ながら、さらにブラッシュアップしていくので、予選大会から決勝までの間にぐっと品質が上がっていると感じています。

前田:みなさんのスキルアップの一助になれて嬉しいです。
毎年登壇させていただいて、毎回すごく熱量の高い子達が採用されてるなと感じています。

実際、研修後の質疑応答も質問が途切れないですよね。

岩月: 新入社員たちも、研修の最後にプレゼン大会があるということもあって、ものすごく真剣に聞くんですよね。なので質問がいつも途切れないし、すごく前向きな姿勢で研修に取り組んでいます。

あと、前田さんのお話は、プレゼンテーションだけじゃなくて、ビジネスパーソンとして周りから信頼を得ることの秘訣や、ビジネスマインドに関した話がいろんなところに散りばめられているんですよね。プレゼンを聞いてもらう前提として、社会人としてのスタンスや姿勢、どんなにいいプレゼンをしても信頼がないと聞いてもらえない、といったメッセージングをお伝えいただくので、働くマインドセットやこれから会社の中で成果を上げてくための心構えとして、彼らにすごく響いているのだと思います。

伝えるだけ、聞くだけ、ではない。聞き手の「質問力」の高さが、伝えるスキルアップの相乗効果に。

前田:僕がソフトバンクを退社したのって2013年の冬なので、なんだかんだでもうすぐ10年なんです。

10年経つと、やっぱりどんどん変わっていくじゃないですか。社長も変わって、事業内容もどんどん増えて。その中でも、イズムというか、プレゼンでチャンスを掴みにいく風土だったり、ソフトバンクらしさというのは変わっていないなと感じます。

岩月: そうですね。前田さんが研修でお伝えしてくれている内容も本当に普遍的で、いつの時代であったとしても通用するようなエッセンスが組み込まれているので、何年経っても役立つスキルだなと思います。

前田:研修時に配布いただいている「プレゼン資料のデザイン図鑑」は2019年に出版したものなのですが、僕が最初に出した「社内プレゼンの資料作成術」はソフトバンクを退職してすぐのタイミングでした。

現在、年間約200社の企業とお付き合いしていくなかで、僕の中でも改めてソフトバンクの良さが見えてきたり、もちろん他社の良さなどもわかってきて、コンテンツもどんどんアップデートしています。(2022年「完全版 社内プレゼンの資料作成術」出版)これからも、よりよいものを新卒の方へお届けしていければなと思っています。

岩月:(前田さんの本や研修は)プレゼンを作っていて迷いが出てきた時に戻ってこられる場所というか、研修でインプットした内容が頭の中に残っているんです。そう言った意味でも、前田さん以外に(講師の適任は)いらっしゃらないと思います。

前田:ありがとうございます!

前田:岩月さんはアカデミアやイノベンチャーのプレゼンを聞く機会も多いですよね。

ソフトバンクほど相手の意見を聞いたり、提案をする時にプレゼンテーションを効果的に使ってる会社はないなっていつも思っています。プレゼンテーションをする方も大変ですが、受け手、つまりジャッジや審査する側もしっかりと質問しなければならないと思うのですが、その「質問力」もみなさん高いなと思います。

岩月:はい。プレゼンテーションを聞く機会も非常に多いので、その中から「こういうふうに説明したらもっとわかりやすくなる」という気づきもありますし、他の審査員の質問から新しい観点を見つけることもあります。

相手はすごく真剣に、魂を込めてプレゼンしますし、こちらも質問をするからにはぼーっと聞いてるわけにもいかない。そういったところにも相乗効果はあると思います。

前田:質問によってその後がグダグダになることもあれば、いい質問でお互いが盛り上がってそのプレゼンがさらにいいものになることもあって、質問する方のセンスも問われますよね。

そういった「質問力」も鍛えてるのが、ソフトバンクのいいところだって思っています。

言わせるだけじゃないし聞くだけじゃない。ちゃんとお互いが「伝える」ということを、すごく磨かれていってるな、と。

岩月:質問することで、本人が気づいてない点がわかったりと、本人の育成にも繋がっていきますよね。
質問に答えられないってことは準備が足りなかったってことですからね。

前田:質問力を高める、そして実践に向けて場数を踏ませるということが、ソフトバンクの強みですね。

最後に、来年以降も新入社員の方がどんどん入られると思いますが、岩月さんはどんな方に入社してほしいですか?

岩月:ソフトバンクのいいところって、学歴や年次、役職関係なく、本当にいろんな意見を提案できること、そしてその意見がよければ採用される、本当にフラットに活躍できるところだと思っています。
なので、自分で課題意識を持つこと、それを正しく相手に伝える、伝え続けることをやり続けられる方に来てほしいですね。

そのための手段としてプレゼンテーションは非常に有効なので、入社してからも学び続けて欲しいと思います。

この記事を書いた人

katamariwebsite2020